・14日目
新卒入社14日目. 遂に2週間を迎えるワイ.
先輩に押し付けられたノートPC検品作業もどうやら終わりが見えてきた.
もう少し、もう少しで"萌え萌え先輩"の元へ行ける━━━━
...
そんな日の、昼休憩.
休憩室にて、ワイはお母ちゃんが作ってくれたお弁当を貪りながらラノベを読む
ワイ「・・・(無言でラノベを読んでいる)」
?「ツンツン」
ワイ「ん?」
謎のオッサン「うるさい」
ワイ「・・・はい?」
謎のオッサン「うるさい」
ワイ「・・?す、すみません」
謎のオッサン「・・・(席に戻る)」
?
謎のオッサンに絡まれる、ワイ.
気を取り直してラノベを再開する.
ワイ「・・・(無言でラノベを読んでいる)」
?「ツンツン」
ワイ「ん?」
謎のオッサン「うるさい」
ワイ「はい???」
謎のオッサン「キミさっきからスマホのバイブ音とか鳴ってるんじゃないか」
スマホを確認するワイ、特に通知などは来ていない
ワイ「いやワイじゃないと思いますけど・・・」
謎のオッサン「チッ・・・(舌打ちをして席に戻る)」
は?
流石に意味が分からないので謎のオッサンの席をチラ見してみると、さっきのオッサンが机に上半身うつ伏せの状態になっていた.
どうやらオッサンは眠いらしく、休憩中に少しでも睡眠を取ろうとしたが周囲の雑音で眠れず、近くに居たワイに八つ当たりをしてきたらしい.
ワイ「ワイは学生時代、”陰”による力で全てを制してきた漢だぞ・・・?」
無能大学生による陰キャラ式テニス攻略術 - にじいろプレート
ワイ「どうやら"理解(わか)"らせないといけないようだな・・・」
ワイは右手を上げ、天界への門《ヘブンズ・ゲート》を開く
そして、”一言”だけ、告げる
ワイ「審判(ジャッジメント)」
数秒後、脳内に直接「審判結果(ジャッジメント・アンサー)」が届く
━━━━━━”罪(ギルティ)”
ワイは溜息をつきながら手を広げ、呆れのポーズを取る.
ワイ「おいおいマジかよ...」
ワイ「オッサン、”終焉(おわ)っちまう”んじゃねえか...?」
まあでも、ワイの”聖典読解時間(ラノベ・タイム)”を邪魔したんだ...
『覚悟』は、出来てるよな
...
業務ルームへ戻ったワイ、先ほどのオッサンを探す.
━━━━━━居た
角の席でパソコンと向かい合っているオッサン.
まずはコイツが帰るのを待つとしよう・・・
...
オッサンが帰ったのを確認したワイは、即座にオッサンが使っていたPCを再起動させる. これでアイツのIDと名前を確認する事が出来るからだ.
ワイ「━━━━到達」
コレで”断罪”の準備は整った.
さあ、大破滅(カタストロフィ)の時間だ
...
ワイはロッカールームへと足を運び、”奴”のロッカーを探す
ワイ「ココ、だな・・・」
オッサンのロッカーを発見したワイは、そこに掛かっている数字カウンター式の南京錠を手に取る.
因みに、大抵の人は1回だけ回せばすぐに開くようにダイヤルを設定している.(例:0000で開く場合、0001に設定しておいて1を1回左に回すだけで開く)
何故かというと朝のロッカールームは混み合いがちで、鍵がスムーズに開けないと押し寄せた人同士がつっかえてクソだるい事になるからである.
ワイ「コイツは”効く”ぜぇ・・・」
ワイはその南京錠の4ケタの数字ダイヤルをゴチャゴチャに回しまくる.
更に、ワイはその南京錠を横向きにしてロッカーの取っ手の所に力いっぱい押し込む.
このロッカーの取っ手は横向きの南京錠がピッタリとハマるサイズになっており、一度押し込むと全然取れなくなってしまうのである
また、ワイの会社はパソコンログイン時間=入社時間となっており、交通遅延以外で業務開始時までにログインできないと無断遅刻と見なされ、減給&厳重注意をされてしまうのだ
あのオッサン、昼にウトウトしているという事は普段から夜更かししまくって毎回朝ギリギリに来ているタイプなので、次の朝ギリギリで来た時にとんでもない事になるだろう
ワイ「━━━━任務完了(ミッション・コンプリート)」
するとスマホが鳴る
ワイ「・・・ああ、ワイだ」
ワイ「裁きは下された、以上だ」
ワイ「エル・プサイ・コングルゥ(別れの合言葉)」
━━━━漆黒に包まれたコートを翻し、ワイは闇夜に消えた